子どもの反抗的な態度に悩んでいませんか?
私は、小学校や特別支援学校で様々な子どもと関わってきました。
その中で、特に困ったのは反抗的な態度の子への対応です。
時には叱ったり、なだめたり、褒めたりと日々様々な関わり方をしましたが、なかなか上手くいきませんでした。
結局私も子どももさらにイライラしてしまって悪循環に陥ることも。
「この子がもっと落ち着いてくれたら」とよく悩んだものです。
そこで今回は、【反抗的な態度の子どもが落ち着く!3つの関わり方+原因】をお届けします。
普段から悩まれているご家族、学校の先生方、ぜひ最後までご一読ください。
目次(タップでジャンプ)
子どもが反抗的な態度に出る原因とは?
本記事では、反抗的な子どもに対して、
・選択の自由を与える大切さ
・自由の与え方
について詳しくお伝えします。
脳は『自分で選択できない状況』を嫌う
まず初めにお伝えしたいことは、人間の脳は『自分で選択できない状況』をなによりも嫌うということです。
これは、『自分のことは自分で考え取り組みたい』という欲求があるからです。
あなたは、日々やるべきことに追われながらも、様々なことを自分で考え行動していると思います。
その中で、
・家族に「ああしろ」、「これは間違っている」
・上司に「これはこう考えるべきだ」
と注意されたり、行動を制限され続けたりするとどうでしょうか?
それが日々続くとどう感じるでしょうか?
もう一度お伝えしますが、人は「自分で考え自分で行動したい」という欲求があります。
それは、子どもだって同じです。
では、子どもに置き換えて考えます。
子どもが日々制限されがちなこと
子どもの環境によって違うので、ご自身でも一度考えてみてください。
例をあげます。
・余暇の過ごし方 → 次の授業の準備、遊び方
・身なり → 服装、髪型
・時間 → ゲーム、就寝・起床
・お手伝い
・休日の過ごし方 → 家族の都合に合わせる
子ども達は数々の規則やカリキュラム等、制限された中で日々生活をしています。
さらに大人からは「こう考えるべきだ」と言った考え方について注意されることもあります。
大人によって考え方が全く違うことだってあります。
もちろん一つ一つは意味のあるものです。
ただ単に「これを止めれば良い」というわけではありません。
ここで大切なことは、このような生活の中でも子どもに【今よりも選択の自由を与える】ということです。
特に日本は自由が少ない
【西欧の10代の若者は、獄中の囚人よりも選択の自由が少ないと感じている。】
これは研究者が発表した結果です。
そして、主体性をもった人が多い西欧の結果と考えると、
・自分の意見が言いにくい
・周りの環境に合わせようとする
と言った日本の子どもたちは、どう感じているでしょうか?
・「自由度が少ない」
・「でもうまく主張できない」
と感じていても不思議ではありません。
日本の子どもたちは、選択権が少ない生活に対してどう感じているでしょうか?
反抗期という現象がない文化圏もある
反抗期という言葉さえない文化圏もあります。
要は環境によって、反抗期の『ある地域』と『ない地域』が存在するということです。
反抗期というものは、子どもが「自分のことは自分で行いたい(自立したい)」という欲求が高まり、大人の手から離れたがるからこそ出てくる表れでもあります。
成長しようとする中での表れなので、反抗期が悪いということではありません。
しかし、子どもだって好きで反抗的になっているわけではありません。
子どもはできることなら、落ち着いていたいし、目の前の取り組みに頑張りたいと思っています。
ですので、反抗することで物に当たったり、キレて怒鳴ったりしたいわけではありません。
反抗期のない国があるように、こう言った表れは環境によって大きく左右されます。
それでは、どうすれば子どもに選択の自由を与えることができるでしょうか?
しかし、選択の自由が少ないことに不満を持っている子は多いはずです。
子どもにはもっと選択の自由を与えることで、『自分で考えてやっている感覚』を味わわせてあげたいです。
科学と確かな実践に裏打ちされたノウハウが整理されている」
予防医学者・医学博士 石川善樹氏推薦
脳の仕組みを知れば、常に最高のパフォーマンスが発揮できる!
・気を散らさず、集中力を発揮する方法
・モチベーションを高め、感情を活かす方法
・チームメンバーとうまく協力する方法
・組織を成長させ、変化をもたらす方法
次は『選択の自由の与え方』についてです。
反抗的な態度の子どもが落ち着く!3つの関わり方
ここでのポイントは、子どもなりに忙しい生活を送っている中でも、どこかのポイントで、
「選んで良いよ」
「どっちにする?」
「どうしたいの?」
と本人の思いに、ある程度でも自由度を持たせてあげるということです。
そうしてあげるだけでも、子どもは心が楽になり、気持ちよく行動できるようになります。
具体策①【困り感を解決する選択肢を与える】
基本的に子どもは、『大人の決めたカリキュラムやルール』に従いながら生活しています。
反抗的な子だけでなく、一見毎日を問題なく過ごしている子にもそれぞれの「思い」があります。
子どもは日々様々な困り感を抱えている
反抗的な態度を取ってしまうには、それぞれ理由があります。
【子どもの困り感】と、それに伴う大人への【反抗的な態度】。
(これはあくまでも一例です)
【子どもの困り感】 | 【反抗的な態度】 |
「授業が全然分からない」 | だから、授業中に『ふざける』、『邪魔をする』 |
「僕の気持ちを誰もわかってくれない」 | だから、『物に当たる』 |
「やりたくないのにやらされる」 | だから、『大人に暴言を吐く』 |
など、思いは様々です。
反抗的な態度を取る子には選択させる
こう言った子には、
「決まっていることだから」
「必要だから」
と無理にやらせるよりも、
・心の中のモヤモヤを解決すること
のどちらを優先するかを選ばせてあげることをオススメします。
なぜ選ばせる方がいいのか?
反抗的な態度を取る子には、そうしてしまう原因があります。
まずその原因を解決しない限り、ずっとイライラしたままです。
その上、大人が「やりなさい!」と厳しくすれば、分かってもらえない子どもはさらに反抗的な態度を取るでしょう。
それが自分を守るための行動なのです。
ここでさらに子どもの思いを無視して叱ったり、無理に目の前の課題をやらせたりすると、子どもはさらに反発します。
②大人が叱る・課題を無理やりやらせる。
③子どもがさらに反発する。
もちろん叱ること自体が悪いわけではありません。
効果的な叱り方はコチラ↓
選択の自由を与える良い流れ
こう言った流れを目指します。
②大人が本人の思い(困り感)を聞く。
③どうしたいのかを確認する。
④困り感を解消する。
⑤子どもが目の前の課題に前向きに取り組む。
時には厳しくしたり、時には話を聞いたりしても、なかなか子どもは心を開いてくれません。
そして、自分の本当の思い(困り感)を大人に伝えることはできません。
ですので、普段から子どもの思いに寄り添い、信頼関係を築く必要があります。
具体的な信頼関係の築き方はコチラ↓
point!
【わかってくれる大人には、いちいちキレない】
普段から辛い気持ちをわかってくれる大人には、大きな態度で反抗的になったり、キレたりしません。
反抗的な態度を取る子も取りたくて取っているわけではありません。
普段からそう言った関わりをされている大人に『たまに優しくされても』、子どもは反抗的な態度を取ってしまいがちです。
そう言った子への関わり方はコチラが参考になります↓
移動中・家事などのついでに聞けて便利です。
具体策②【「やらなくていいよ」と伝える】
①にもつながる内容です。
普段から様々な『やること』に縛られている子には、『やらない』という選択肢を与えることが有効です。
悪循環と好循環
②子どもが反発する
③大人がさらに叱る
④子ども「この人は僕の気持ちをわかってくれない」→本当の気持ちを伝えられなくなる
③大人は、本当のやりたくない気持ちが分かる
子どもが本当にやりたくない時
本当にやりたくないのに、それでも大人が無理やらせようとする時は、自分の思いを通そうと
・キレる
・物に当たる
・逃げる
などをして反発します。
しかし、子どもだけでなく、大人にとってもメリットの大きい言葉です。
具体的な説明はコチラから↓
具体策③【やる意味や価値を理解させる】
やる意味や価値を理解させた上で、「やるか、やらないか」を選ばせると良いです。
【決まっていることだからやりなさい】では平行線のまま
決まっていることをやり切るのは大切です。
もちろん決められた課題は、できるに越したことはありません。
ただ、そのことに大人が固執しすぎて、苦しんでいる子どもが居ることも事実です。
大人の世界にもあるはずです。
職場や家庭で、
・なぜこんな非効率なことをするのか?
・これは誰の何のための作業なのか?
・やるのが当然と思われて辛い。
子どもだって同じことを思っています。
「子どもがどう感じているかどうか」が大切
子どもはそのことを行う価値や意味をどれだけ理解しているでしょうか?
大人がいくら大切だと感じていても、それが伝わっていない限りは、ただ「やらされている」と感じるだけです。
子どもからすれば、大人が提供してくるから「仕方なく」やっているのかもしれません。
・「社会というのはそういうものだ」と理不尽さを学ばせたいのでしょうか?
・それとも、本来の価値や意味を知って、前向きに取り組ませたいのでしょうか?
後者であれば、ぜひ子どもには価値や意味を伝えてあげると良いです。
次は、価値や意味を伝えてあげる【ポイント3選】です。
ポイント①【何のために設けられているかを伝える】
・こういうトラブルを防ぐためにルールがある。
と言った理由を伝えます。
子どもがよく理解できないようなルールは、考え直すと良いです。
ポイント②【その取り組みにしっかりと喜ぶ】
それがそのことを取り組む価値につながります。
例えば、あいさつが元気よくできた時の声かけでも、「あいさつできたね」と単純に褒めるより、効果的な価値付けの方法があります。
コツは、
①その子は具体的にどうしたのか。
②受け手はどう感じたのか。
を伝えることです。
①具体的に→「いつも自分から元気よく挨拶してきてくれるね。」
②どう感じたのか→「気持ちがいいな。」
これもかなり効果的なのでぜひ伝えてあげてください。
効果的な褒め方について詳しくはコチラ↓
ポイント③【価値観を育む】
「それを行うことは良いことなんだ」という価値観を育むのも効果的です。
A・B、2種類の育み方があります。
日々の大人の声かけで育みます。
「次の日の支度を自分で行うことは良いことだ」という価値観を育むとします。
↑これは、支度をすることで得られる心地よい感覚です。
人は誰かの役に立てていると感じることで、前向きに行動することができます。
AもBも大人が積極的に繰り返し伝えていくことで、その子の価値観となっていきます。
具体的な関わり方については、ぜひコチラの記事をご覧ください↓
様々な場面で使えます♪
改変できるところは無いか?
もう一度、子どもにありがちな『制限される場面』の一例です。
・余暇の過ごし方→次の授業の準備
・身なり→服装、髪型
・時間→ゲーム、就寝・起床
・お手伝い
・休日の過ごし方→家族の都合に合わせる
子どもはどう言ったことに窮屈さを感じているでしょうか?
・減らせるところ
・改良できそうなところ
・もっと価値や意味を伝えられそうなところ
があるか、考えてみてくださいね♪
・子どもがイライラする
・心に響く声かけを知りたい
・前向きに取り組ませたい
・忙しくてつい子どもに当たってしまう
などなど、お悩みの方の心が楽になるような配信をしております。
まとめ
ゆとりが持てて、やる意味や価値がわかった時に、子どもはやる気が高まります。
結果、今まで反発していた取り組みも、前向きに取り組めるという事は多々あります。
・なんとかやらせるかではなく
・子どもに選択の自由を与えられるか?
をポイントに「何ができるか?」を考えてみるといいです。
一つ一つの行動に納得し、前向きに行動しようと思うかどうかは、子ども自身が決めることです。
私たち大人ができることはそのサポートです。
ぜひ、ほんのちょっとしたことでも良いので、日々選択させてあげると良いですよ♪
移動中・家事などのついでに聞けて便利です。
・動画で詳しくわかりやすく
・片手間で耳からキャッチ
・場面ごとに解説
などなど、お悩みの方の心が楽になるような配信をしております。
ぜひご登録お願いします♪
信頼関係の築き方はコチラ↓
自分の思いを上手に伝えられない子への関わり方はコチラ↓
「やらなくていいよ」の具体的な説明はコチラ↓
効果的な褒め方はコチラ↓
価値観の育み方はコチラ↓
最後までご覧いただきありがとうございました。